風たちぬ:最強の愛
大人向けの作品なので、解らない人にはわからないってみんなが言っている作品ですが、
そんな所はたくさんある(ファストを踏まえた描写とか)って、解説者も一杯言っているんですが、
それにしても、女性の描写が無さすぎって、思ったのですが、
意図して、描かれていなかったのでした。
全く描かれていないんですが、全く描かれていないって事が、愛の表現だったのです。
いやあ、やられました。参りました。
彼女は、結核なんです。
プロポースされた時に、彼女は告げましたが。
それ以降、お互いに、全く気にしていないんです。
医学的確率で言うと、あんなに同居して暮らしては、激務であって、体力的にも厳しい生活であっては、ものの半年もしないで、結核が移って、二郎は、志半ばで、死亡なんです。
結果としては、移らなかったのですが、確率として限りなく1に近い高い危険が毎日にあったのです。
それが、全く出てこない。
それだけ、二人とも、愛に生きたってことなんです。
彼女自身が愛する人をそんな危険にさらしつづけることに耐え切れなくなったのでしょうか、
女医である、二郎の妹が来る日に、別れを決心。
「愛する人を殺すのか愛すのか」、ギリギリの葛藤があったことを、「当然解るでしょうから、描かないよ」って、
宮崎君は、描かない事で、愛の強さを表現したのです。
参りました。