敗戦後の占領軍の日本支配その5
英雄重光に代わって外務大臣になった吉田の就任訓示演説は
「戦争に負けたからには、敗者として潔く対処するしかない。戦勝国の占領政策に誠意を持って協力することが肝要である。<陰でコソコソと非協力的な行為をする>のはとらぬことだ」
「天様の手先となれ」ってことを、こう表現できるのは、才能であります。
そして、あの英雄行為を<陰でコソコソと非協力的な行為をする>と言ってのけて。同じような行為をしようというものを、さらに、その恐れのあるものを、どんどん切り捨てていく。外務省では「Y項パージ」と名づけられたようです。
一方神様の方には、マッカーサー、ホイットニー、ケーディスじゃなく、その次にいたウィロビーに取り込んだ。彼の宿舎であるホテルの裏庭に吉田は何度も忍び込み、彼をして吉田びいきと言わしめることに成功。
とにかく、天様を怒らせずに日本政府を手足として使った占領政策を継続させた。
さて、この占領政策、東西冷戦で、教科書的には朝鮮戦争特需で、すなわち、反共の壁として日本を使う。その費用は、日本に負担させるという経済破壊の中止という変更はある。
しかし、それ以外変更はあるのか?
変更は革命が起きないと、生じないのが普通である。
戦後の日本に革命はあったか?
政治体制を、もう一度確認しよう。
神様がお決めになったことを、「誠意をもって実行していく」のが、日本政府の役割。
決めるのは、神様。決めたことに対して<陰でコソコソと非協力的な行為をする>のは悪いこと。
すなわち、原発推進を神様がお決めになったら、「誠意をもって実行していく」のが日本政府。
原発の危険性を検証するとか<陰でコソコソと非協力的な行為をする>のは、いけないこと。
オスプレイの配備を神様がお決めになったら、「誠意をもって実行していく」のが日本政府。
オスプレイの危険性を鑑み飛行航路変更要求するとか<陰でコソコソと非協力的な行為をする>のは、いけないこと。
郵政の民営化を神様がお決めになったら、「誠意をもって実行していく」のが日本政府。
郵政500兆円の貯金の海外流出を防ぐとか<陰でコソコソと非協力的な行為をする>のは、いけないこと。
当然のことではあるが、ちっともかわっちゃいない。
ま、<陰でコソコソと非協力的な行為>というのは、法令には全て「等」を付けて骨抜きにするというお役人様の手練手管として、
また、神様に誠意を持って協力するのを潔しとしない者は、どしどし切って行くという、吉田が取った手法も、政治屋達に引き継がれています。