竜馬伝(虎之進事件)


津本陽さんの龍馬によれば、2対2の騒動。
上士が山田と松井、下士が虎之進の弟と喜久馬。
当時男色は普通だったらしい。
色男が喜久馬。

酔った山田と松井が、道で行き会った喜久馬に声をかけからかったのに、虎之進の弟がムキになった。

現代的に言うと、夜道を歩いていたカップルが、酔っ払いに絡まれ、彼氏の方が敢然と酔っ払いに立ち向かったという所。

弟としては、まずは喜久馬の安全をというのであろう、兄を呼びに行かせた。しかし、1対2になっているときに、剣の達人の山田に切られてしまう。
切ってしまった山田も、そこで酔いが冷め、とりあえず、踏み潰してしまった提灯の替えを松井に借りに行ってもらって、自分は、小川で顔とかを洗っている所に、駆けつけたのが虎之進。状況で、弟を切ったのは、小川で顔を洗っているやつに間違いないので、そのまま切り付ける。
なので、後ろから切った事になる。

で、提灯を持って戻ってきた松井も切る。松井も、山田はすでに切られていて、代わりに切り殺した男の兄がいるとは思わなかったのだろう(提灯を借りにいった時に現場に残ったのは味方の山田ひとりであるので)、やられる。
その後、下士が弟を戸板に乗せて運ぼうとしている所を、通りががった上士が見咎め、詮議が始まったようだ。

倒れている3人だけでは、こうはならないのは、わかるし、なにより、山田が後ろから切られているので、上士側とすれば、「だまし打ちにされたのでは?」となる。

犯人は誰だ、匿い立てするなということになるし、後ろから切るなんて卑怯なまねは許せんということになる。

虎之進は、二人も切っているので切腹は覚悟。家で弟の葬式をしている。葬式を出したら腹を切るつもりである。山田家としては、すぐに虎之進を屋敷まで連れて行き、山田の弟と敵討ちの勝負をさせようと、虎之進の引渡しを要求したが、それは、仲介にあたった竜馬が拒んだ。竜馬の交渉は、「引渡しでなく、切腹を」である。引き渡したら、集まっている上士達に膾のように切り刻まれることが明らかであるからである。

下士といえど、武士なので、虎之信の切腹は当然のことで、テレビみたいに泣いたりはしない。しかし、当時の武士の気持ちは、神様である視聴者の皆様には理解不能なので、仕方なしに、泣いてもらう。