迷信が生んだ定年制と年金の崩壊


定年制というのは、もちろん西洋から輸入した制度である。
で、なんで出来たかと言うと、「若者の雇用のため、老人は早く勇退すべきだ」という庶民感情から起こったもので、
しかし、当然の事ながら、老人が退職しても若者の雇用は増えません。
若者の雇用が増えるのは、労働集約型の産業が好景気になった時で、老人の勇退とは無関係です。

しかしながら、この、定年制というのが残ってしまいました。
企業の面倒くさい賃金計算プログラムに、定年退職という要素が組みれてしまったために、それをなしにしてより複雑な賃金計算システムを作るのはとても面倒くさいので、定年制というのが、会社に居座りました。

そして、年金というのも、退職後の生活保障ですから、定年というのに引っ張られて、医療の発達で寿命がどんどん延びていくのもかかわらす、スタート時期は、絶対値で固定されてしまいました。

60歳定年で、平均寿命が70歳なら受給期間は10年ですが、平均寿命が80歳なら倍の20年です。
需給期間が当初の倍以上に伸びてしまうシステムが、崩壊しないわけはありません。