名人戦第七局


名人戦初の参連敗の痕の4連勝がかかる本局、羽生さんは8連勝中と絶好調だが、後手になってしまった。

ということで、羽生さんは横歩取り戦法を選択。

アナウンサーが変なことを言っていた。

森内九段の名人戦第七局の勝率は10割(2-0)とか、100局を超える羽生森内戦で、「4連勝というのはどちらも無い」とか。

詰らないことをいう。

2.森内さんの桂馬が2枚跳ねてるよ・・・

横歩取りなんですが、いわゆる横歩取りっぽいトリッキーななんじじゃなく、矢倉とか、相掛りの進行っぽい形になっています。

森内さんが、新山崎流で、積極的に応対したかららしいですが、もう、何回も攻め合いに突入する順はあったのですが、そこは、名人戦、その程度の変化は読みきって、不利だということで、回避、回避されて、今の形。

というか、攻め合いに出て、勝てるような、甘い局面は、お互いに作っちゃ居ないってことです。

そんな局面を、序盤早々に、作ってしまうようでは、永世名人の資格は持てません。

でも、森内さんの桂馬が2枚跳ねているよ。

「それは、ちょっとだけ指しすぎだよ」

ってことで、羽生さん、歩を突いて、桂馬を取りにいかれました。

本当にちょっとだけ指しすぎなんでしょうか?

森内さん2時間考えて、そのまま、封じ手になりそうです。

3 「指しすぎですよ(桂馬の高飛び歩の餌食)」とばかりに、桂馬を歩で取りに来た羽生さんに対し、

 「その手は、一手パスに近いですよ(桂馬は歩では取らせない)」と

 桂馬を玉の近くに成りこんで行く森内さん。

 同銀、同桂、同角と進むので、桂馬2枚と銀1枚の交換で、瞬間は森内さんの駒損。

 しかし、手番は森内さん、歩もたくさん有って、飛車道も、角道も通っていて、銀も持ち駒にしたので、

 「攻め潰すまでは行かなくとも、優勢を築けますよ」ということ。

 新山崎流という、ドンドン攻めていく戦法を採択した先手森内さんとしては、首尾一貫している。

 しかし、森内さんが得意なのは、攻めじゃなくて、受けなんじゃなかったでしたっけ?

 名人に就くには、

  「先手番なら、先手番を生かして、攻め倒す将棋を指さなきゃいけない」

 と、気負っていらっしゃるのでは?

4.森内さん、角を切って(といっても、桂馬と交換だが)決めに???

 いやあ、これで、名人位を奪取されれば、

 「さすが、永世名人

 と、賞賛されるてではあるが、

 羽生さん相手に、

 「攻めきった」

 ことになる。

 すくなくとも、これは、羽生さんが唯一あるかどうかの受けを発見しなければいけない展開。

 森内さんもそんなに得意じゃない、「攻め」であるが、積極的に攻めることで、羽生さんにもそんなにとくいじゃない、「受け」を強要している。

 森内さんの「攻め」と羽生さんの「受け」 どっちが、強いかという勝負になりました。

5.一見森内さんがよさそうな感じなんですが、よく読んでみると、いろいろ手があって、普通。

 ってことは、お互い1時間ちょっとで寄せ合い、凌ぎ合いという終盤勝負。

 森内さんに終盤の絶妙手が出れば、羽生さんもあせるでしょうが、残り時間からして、出そうにも無い感じ。

 だとすれば、熱戦を制すのは、羽生さんで、森内さんには、「さすが永世名人」という賞賛だけが与えられる結果になりそうです。

  ▲44角の他に▲16飛。二つも妙手を出されては、名人就位もむべなるかなであります。