テレビ将棋が引退試合


プロ棋士の優秀な8割以上は、順位戦というのを毎年戦っている。5階級に分かれていて、毎年昇級降級がある。
まだ若くして一番下のクラスから降級すると、フリークラスになり、棋士生命に概ね10年の期限がついてしまう。
逆に降級しなければ、死ぬまで順位戦を戦うことができる。

で、有吉九段、74歳まで順位戦を現役で戦ってこられた。
国会で居眠りしててもいい国会議員では、74歳現役は珍しいほうではないが、バリバリの現役と対等に戦っての74歳現役はすばらしい。
しかし、ついに降級が決まってしまったが、将棋の棋戦はすべて3月末に終わって4月に始まるって物じゃない。棋戦ごとにばらばらである。

4月から本戦が始まるNHK杯50名参加、シード棋士30名以外は2月に予選がある。
7名のトーナメントで1名出場である。
そのトーナメントで有吉九段は3連勝である。
本線出場が決定したのである。

そこで、将棋連盟、棋戦の途中で引退を理由に不戦敗にするのも変であるので、順位戦を陥落しても、他で勝ち残っておる棋戦があれば、勝ち続ける限り現役であるとした。

つまり、引退はその棋戦で負けたときということになる。

すなわち、NHK杯の予選を突破した有吉九段の引退は、その将棋に負けたとき。ということで、引退試合がテレビ中継されるというとても珍しい引退となった。

あの野茂だって引退試合はテレビ中継されていないというのに。ま、ある意味野茂よりすごいとはいえる。