天地人の違う所

御館というのは、前管領上杉憲政の住居。
上杉謙信が一時「政虎」と名乗っていたのは、この上杉憲政から一字をもらってのこと。
景虎が、御館に入るには、まず、上杉憲政に出て行ってもらわなきゃいけない。出て行ってもらう名目は、管領職を謙信の後、継いで行くってことだろう。
それと引き換えかどうかはわからないが、景虎は、子供を上杉憲政に預けている。次の管領としての教育をよろしくってことなんだろうが、人質ともいえる。
また、御館は、当時の経済と文化の中心。
関税の徴収や、青その交易も、御館を中心に行われていただろう。

そこに入ったって事は、二の丸から落ち延びたのではなく、交渉を重ねて、ホワイトハウスに入ったようなもの。景勝が居るのは、ペンタゴン

管領は守護や守護代より上位なのだが、戦の時は、守護や守護代に助力をして貰わなきゃいけない。従って、多少乱暴な景勝に対しても、穏やかに交渉したはず。

交渉も決して下手ではなく、上杉憲政管領をゆずってもらったり、武田勝頼に仲裁に来てもらったり、上手く外交している。
守護代を継いだ景勝は、管領の第一の与力とすべき武将なので、地元の景勝さえ従わない管領ってなると、管領の威厳を疑われちゃうので、2ヵ月後の衝突までは、できるだけ穏便に穏便にと交渉したはずだと思います。

揚北衆にお帰りいただく手配、信長包囲計画の変更、実兄の北条氏照との交渉、義理兄の武田勝頼との交渉、七尾城をはじめとする富山石川の守備将の手配、同盟先の一向衆本願寺勢力との交渉、上杉憲政管領をゆずってもらっう手配、それを朝廷とか将軍とかに認めてもらう手配、今浜の関税徴収を引き継ぐ手配なんかで、目が回るほど忙しかったはずなんです。