サラリーマン川柳「仕分け人妻に比べりゃまだ甘い」の後ろにある愛


この俳句の前提には、給料を全部妻に渡すという、世界にもまれな、日本人夫の献身愛がある。

昔は確かに家事はあった。

下手すると水組みから始まる。
竈に火を起こす。
冷蔵庫なんか無いから、買い物は毎日。
調味料も無いから、塩加減は真剣勝負。
洗濯機は無い。
洗剤もない。
冬はお湯も出ないし、冬は暖房用の炭も起こす。
掃除機も無い。
着物は破れたら捨てるんじゃなくって、繕う。

赤ちゃんの紙おむつももちろんない。

その時代は、確かに家事を頼んで、男は外で働くという分業が成り立つが、今は成り立たない。

それなのに、給料を全部渡すというのは、なんと広い愛であろう。私などは到底真似できない。