事業仕分けで判明した役人の頭の中


よく、事業仕分けで、「役人にディベート能力、説明能力が欠如しているのが分かった」なんて、いわれるが、役人にはそんなもの必要ないのである。

役人が出世するには、

1.自分の部署に与えられた権限を正確に理解すること。

2.部署の長の考えを正確に理解し、力になること。

3.問題が起きそうな他部署との権限の境界の調整能力。

仕分け人が何度も言う「類似の事業をやっている他部署と連携して、国として統一的、効果的な事業を」なんていうのは、そもそもしてはいけないことなのである。

また、「それは他省の分野です」って言って、しかられていたが、他省の分野に首をつっこむと、飛ばされちゃうのである。

役人的に言うと、A庁とB庁が共同して事業した場合、責任はどちらが庁なのか?そもそも、意見が対立して、案そのものが不成立の場合、国会なら強行採決っていう手段があるが、省庁間に、そんな制度はない。意見が分かれたら、事業そのものができなくなるって理屈である。

その調整は、国家戦略室なんだろうが、なら、ちゃんとするなら、類似の事業を国家戦略室が整理して、統合することが、最初にすべきことになる。

ま、民主党は、野党だったので、そもそも、何やっているのか知らなかったので初年度は、何やっているのかを調査しましょうってことなんだろう。

話を戻すと、事業仕分けに出てきている、その事業の責任者の頭の中は、

「この事業を行う権限は自分にあって、自分はその責任者の地位にある。その私がいいと判断したのだから、問題は無い」

という、完璧なものである。

民間であれば、効率の上がらない部署の部長は首になるし、会社自体がというか、社長がそうなら、会社はつぶれるので、非効率や無駄は長続きしないが、役人は首にならないし、役所は北朝鮮が攻め込んできて日本を占領するまではつぶれないので、無駄も非効率も、ある意味永遠に続くので、そこが、問題なのである。