生き胆取り放題


どさくさにまぎれて決まった。
利権団体に最も都合のいい形で決まった。

これからは、生き胆が欲しい時は、その前に呪文を唱えるだけで自由に使える。
呪文は「脳死です」
簡単である。効果は絶対である。

ま、心臓移植手術するのは、金持ち。
貧乏人は、一人しか犠牲にならないのだから、たいしたことはないか。
金持ちは、例え、1年でも、1ヶ月でも余計に生きられればいいという。
医者は簡単である。
1.余命半年とか宣言する
2.半年近くで手術をする
これだけである。

手術なんて失敗して1ヶ月で死んじゃっても、「できるだけのことはやりました」って神妙な顔をすればいい。
馬鹿な金持ちは、1ヶ月だけでも大変貴重だったなんて、喜んじゃう。

ま、こんな反体制的なことをいうと、「脳死です」って診断書書かれちゃうんじゃないかって、心配になる。
そうすれば、私は何のさわりも無く死んじゃう。

殺し屋なんて雇う必要はないし、警察が調べる危険も皆無である。

育児に疲れた時、介護に疲れた時は、これからはお医者さんに「脳死です」って診断書書いてもらえば済むってことだ。
便利な世の中になったものだ。